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保育士の時給っていくらになるの?給料アップを目指す方法を3つご紹介

お役立ちコラム

保育士は、「将来なりたい職業ランキング」にも常に上位にランクインするほど人気のあるお仕事です。その一方で働く人がなかなか増えない、働いたとしても離職してしまう、そんな深刻な人材不足問題を抱えている業界でもあります。

 

待機児童問題や保育の無償化で、今、日本はたくさんの保育士を必要としています。

 

それでも働き手が増えない理由の一つとして挙げられるのは給与面への不安でしょう。

「給料が安い」というイメージを持たれがちな保育士ですが、子供の命を預かるという重い責任がある上に、毎日のお仕事や行事の練習、準備など体力的にもかなりの重労働です。

 

それなのにも関わらず一向に増えていかない給料に対して「私の給料は他の保育士さんよりも少ないんじゃないか?」と不安を感じたり、「これ時給換算したらいくらになるの?」と労働時間に不満を持っている方もいらっしゃると思います。

 

今回の記事では、そんな保育士のお給料事情をまとめました。

平均年収や手取り額がいくらになるのか?他業種と比べ、本当に給料は低いのか?

保育士の給料が安い理由を探っていきながら、少しでも給料をアップする方法を考えていきましょう。

保育士 最新のお給料事情

可愛い子供たちの笑顔、憧れだった保育士の仕事はとてもやりがいのあるお仕事です。

しかし、そんな華やかに見える世界の裏側では・・・。

 

・毎日、多忙な量の仕事

・幼い命を預かる責任感

・保護者や先輩保育士からのプレッシャー

 

にくじけそうになる保育士さんが、たくさんいらっしゃいます。

 

「頑張ってるのに評価してもらえない」

「今の月給じゃ少しの贅沢もできない」

「給料的にもずっとは続けられない」

 

そんな不満や、将来への不安を解消(改善)するために、ここでは保育士の平均給与や、年齢別、地域別での給料の違いを見ていきたいと思います。

保育士の平均給与は?

保育士の給料は少ないと言われますが、実際はどれくらいなのでしょうか?

 

令和元年、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均月収は全国平均で24万4500円となっています。そこに年2回のボーナスを含めると、保育士の平均年収は363万4600円となっています。

 

またその給与の額は地域や年齢によっても異なります。

保育士さんの年齢別のお給料

 

 

20代の平均月収は約22.5万円ほど、30代の保育士さんと比較すると約2万円、40代の保育士さんとでは約3万円ほどの差が生じます。

厚生労働省の発表では、大卒の初任給は約20万円なので、他職種と比べても20代のうちはそれほど差がないことがわかります。

 

一番年収が高くなるのは50代の411.9万円。

この年代では役職にも就き、任される責任も大きくなることから年収が最大になります。

 

保育士は働く年数を重ねるごとに月収やボーナスが上がっていく仕組みです。

現場での保育経験を積み、できることが増えるのと同時に給料も増えていきます。

 

昇給は非常に緩やかな傾向にあり、20代で22.5万円だった月収が、30代ではわずか2万円ほどしか上昇を見せていません。入社する年齢や時期にもよりますが、約10年かけてわずか2万円の上昇ではモチベーションも下がってしまいますよね。

 

仕事内容と給料が見合わないと感じストレスを抱えてしまう保育士さんが多いのは、この給料の上昇の緩やかさにあると言えます。

しかし、この昇給も地域によって大きな差が生まれています。

 

保育士さんの地域別のお給料について

ここでは地域別で給料を比較してみます。

厚生労働省発表の「平成29年度 賃金構造基本統計調査」をもとに、ランキングを制作しました。

給料が高い地域TOP5、給料が低い地域TOP5の結果は以下の通りになりました。

 

TOP5

・1位 京都 401.1万

・2位 東京 394.3万

・3位 愛知 372.8万

・4位 岡山 363.7万

・5位 滋賀 359万

 

ワースト5

・1位 島根 279.7万

・2位 愛媛 284.1万

・3位 沖縄 288.7万

・4位 鹿児島 290.1万

・5位 青森 294.9万

 

1位は京都で401.1万円でした。

 

毎年1位になる京都府では、経験年数に応じて昇給する独自の給与体系を導入しています。保育士の人件費に上乗せすることで、全国平均1.4倍の給料になっています。

 

その他上位にランクインしている都道府県も、独自の給与体系を導入しています。

例えば、東京都では給与補助を実施していて、平成29年度からは、保育士の給料に平均約4万4000円が上乗せになっています。

 

1位の京都とワースト1位の島根では約120万円ほどの差が年収で生まれています。これは地域ごとの人口や、保育園の数、保育士の数などが関係しています。人口が多く、保育士の需要も多い大都市では保育士の給料も高くなる傾向にあります。

 

保育士は子供の人格形成や成長に大きく関わる大事な仕事、国家資格を取得して勤め人数に関係なく大変な仕事であるはずなのに、給与に地域差が生まれてしまっているのが現状です。

女性の多い業種別で比較

では保育士の年収は、他職種と比べてどのくらいの水準なのでしょうか?

ここでは女性に人気のある5つの職業である「一般事務」「栄養士」「看護師」「保育士」「アパレル」を取り上げて、20代、30代に焦点をあてて比較していきたいと思います。

 

・一般事務

 20代 210万円

 30代 250万

 

・栄養士

 20代 296.5万

 30代 354.4万

 

・看護師

 20代 379.6万

 30代 460万

 

・保育士

 20代 303万

 30代 371万

 

・アパレル

 20代 290万

 30代 374万

 

一番給料が高かったのは看護師でした。

 

仕事を始めた20代の頃から給与の水準は高く、30代ではボーナスも含めて400万円を超えてきます。20代では一般事務やアパレルよりも平均給与は高いですが、この2つの職業は国家資格を必要としません。保育士は栄養士と並び、国家資格が必要な専門職と比較すると平均年収はあまり高い水準ではないようです。

保育士の給料を時給換算すると?

保育士は労働が長いことで有名です。

 

前述した他の職業は基本的に残業などはなく、決まった労働時間の中で働けることが特徴に挙げられます。厚生労働省の発表では保育士の平均労働時間は1日平均12分と発表しています。

ですが、実際は保育士にとって前残業や勤務後残業、持ち帰り仕事は当たり前。

 

「あなたは持ち帰り仕事が全くない、残業が全くないという保育園で働いていますか?」

と質問をすると

「そんなことはない」とほとんどの人が答えるでしょう。

 

日常では勤務時間外で指導報告書などの記入、休憩時間をまともに取れている保育園も少数。イベントごとの前になると、計画書や制作物を家に持ち帰り製作をしなければならない。そんな過酷な条件の中で保育士は実際、時給換算するとどれくらいになるのでしょうか?

 

【モデルケースの場合の時給】

一般的な保育園であれば、決められた労働時間は『1日8時間×週5日=週40時間』

1年間は50週になるので『週40時間×50週=年間2000時間』、モデルケースの保育士さんであれば、年間労働時間は2000時間が基準ということになります。

先程の年収を2000時間で割ってみると下記のようになります。

 

・20代 時給 約1,635円

・30代 時給 約1,850円

残業ありの場合の時給

しかし、前述の通り保育士には残業が多く、持ち帰り仕事をしている保育士が大半なのです。

主な残業内容としては下記の6つが挙げられます。

 

・日報や週報

・行事の計画書、書類作成

・ピアノや踊りの練習

・壁面作り

・工作の準備

・劇遊びの衣装作り

 

などが挙げられます。衣装作成などに関しては当たり前のように休日返上です。

仮に、平日(月~木)は2時間のサービス残業、週末(金曜)は持ち帰り仕事を4時間ほどしていると仮定。その場合、『残業含めて週52時間の労働時間×週50=2600時間』の労働をしていることになります。

 

先程の年収を2600時間で割ってみると・・・。

・20代 時給 約1257円

・30代 時給 約1423円

 

になります。これはあくまで参考なので、気になる人は自分の1年間のサービス労働を含む労働時間を割って計算してみてください。こんなに一生懸命に働いているのに、時給が2000円を切っているってとても悲しいことですよね。

 

保育士も法律の中では8時間労働が定められています。早番・普通番・遅番などの交代制で勤務時間が決まっています。しかし、これはあくまで書類上のこと。大半の保育士は、定められた時間通りの勤務ができていないのが現状です。朝7時に出勤した保育士は、本来ならば16時には帰れたはずが、仕事が終わっておらず20時過ぎまでいてしまった、なんてことがよくあるのが保育士の世界です。

保育士さんの実際の手取り額は・・・。

悲しい現実は続きます。

先程紹介したのは給与額でした。給与は支給された額を全て受け取れるわけではありません。実際は各種保険料や税金が控除され、残った金額を手取りとして受け取れます。

給与から控除される各種保険料や税金は以下の通りです。

 

・健康保険料

・年金保険料

・雇用保険料

・所得税

・住民税

 

これらを全て考慮したとすると、手元に残る金額は15-18万円前後になります。

これを先程の残業ありの労働時間で割ってみると・・・。

 

・20代 時給 約1003円
 →(17万×12ヶ月+57万)÷2,600=1,003円

 

・30代 時給 約1178円
 →(19万×12ヶ月+73.8万)÷2,600=1,178円

 

20代ではほぼ千円。アルバイトと同じような時給になってしまいます。

こういった事実を知ると、保育士で給料面に悩みを持っている人が多いことにも納得がいきますよね。

保育士の給料は、なぜ安いの?

保育士の仕事は、幼い子供を預かって、保育とともに生活に関する知識や教育の指導もしていきます。それとともに命を預かる責任感も伴う大変なお仕事です。

 

ただその命を預かる保育士の給料がなぜここまで安いのか?疑問を持って働いている保育士も少なくありません。

 

保育士の給料には「資格を持っているのに評価されていない」など、不満の声が多く上がっています。東京都が行った「保育士の実態調査」でも、保育士の退職理由の第一位は「給料が安い」という結果が出ています。全国で2番目に給料が高い東京都の保育士で思うのですから、全国の保育士はなおさら、給料で悩みを抱えていることになります。

 

待機児童が社会問題化し、保育士の需要は高まっているのに、なぜ保育士の給料はなかなか改善されないのでしょうか?

保育士の給料は国が決めている

保育士には、都道府県や市区町村などが運営する公立保育園で働く公務員保育士と、社会福祉法人やNPO法人、株式会社などが運営する私立保育園で働く私立保育士がいます。

 

公立の保育士はお給料は地方公務員として定められた金額があり、園の運営状況に左右されることはありません。一般的な保育士と違い、公務員保育士は公務員賃金制度によって昇給が用意されています。そのため、役所で働く職員のように安定した職業として人気を集めています。

 

対して、私立保育士の給料の大元になるのは2つです。

 

・国からの補助金

・保護者からの保育料

 

私立の認可保育園では「公定価格」を基準として計算された補助金を国から受け取っています。公定価格とは国が定めた子供一人当たりを保育するのに必要な費用のことです。その国が定めた基準によって私立の認可保育園には国から補助金が支払われます。

 

その基準とは以下のようなものです。

・4歳以上児30人につき1人

・3歳児20人につき1人

・1〜2歳児6人につき1人

・0歳児3人につき1人 とされています。

 

この補助金の基準が、保育現場の実態に合っていないことで保育士の一人当たりの給料が下がってしまうことになります。

 

問題はこれが現場の実態にあった適正な基準なのかどうか?ということです。

 

結論は、この基準に合わせて運営をしていれば十分な保育ができません。結果として保育士を追加して配置することがほとんどであり、4歳以上児30人を1人の保育士でまとめることは不可能です。それでも支給されるのは基準通りに計算された金額です。

 

そうなると、保育士10人分として支給された補助金を20人で分け合うことになります。十分な人件費を確保することができず、公定価格で定められた保育士人数と、実際に働いている保育士の人数の差が、保育士の給与を抑えてしまうことになります。

 

この補助金の基準と、保育現場の実態の乖離が保育士の一人当たりの給料を下げる結果に繋がっているのです。もう一つの収入源である保護者からの保育料も、自治体によって定められた最低ラインの金額です。そのため、人件費を支えるような大きな収入にはならないのです。

 

私立の保育園はこういった現状の中で、ギリギリの経営をしていかなければなりません。自分の園で働いている保育士たちを守りたい思いはあっても、実現されないのにはこういった深いわけがあるのです。

 

今後、保育士の給料は上がる?

近年、保育士さんの給与の引き上げとキャリアアップを図るため、内閣府は新たに「保育士処遇改善等加算」制度を設けました。それに伴い保育士さんの手元に給料が支給されるようになってきました。

 

保育士処遇改善等加算とは保育士でもっとも多い給与面の不満を解消、改善するためにできた制度のことです。

 

職員の離職率を下げて待機児童を減らすことが目的であり、この制度は2013年から始まっています。それにより、近年の保育士の給料は増加傾向にあります。

 

出典:https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003084610

 

さらに、2017年からは新設された役職につくと、月最大4万円の給料アップを目指せる「保育士等キャリアアップ研修」という制度もスタートしています。

このように、保育士の給料アップに向けて、国も様々な取り組みを進めているのです。

保育士さんが給料をアップするには?

先程、保育士の給料が上がる可能性がある、とお伝えしましたが国からの補助金アップによる給与の上昇はすぐに期待できない、そしてそれが自分の働いている保育園に反映されるとは限りません。ここでは自ら給与を上げる方法を3つ紹介します。

 

・キャリアアップを目指す

・資格を取得する

・転職をする

 キャリアアップを目指す

参考:https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/kekka.pdf

 

園の中で役職をあげる、キャリアアップを目指すのも一つの手です。

役職のない保育士だと、私立保育園も公立保育園も月給はあまり変わりません。ですが、私立保育園で主任保育士にキャリアアップすると12万円、施設長になると26万円月給が上がることがわかります。公立保育園ではその増加率も多く、主任保育士にキャリアアップすると16万円、施設長になると33万円月給が上がります。

 

しかし、キャリアアップは長期的に考える必要があること、主任保育士と施設長の人数は限られており、その椅子は限定されています。

 

そこで作られたのが先程紹介した「保育士等キャリアアップ研修」という制度です。

 

保育士として経験人数が3年以上あれば、正社員だけでなく派遣や契約社員、アルバイト・パートも研修を受けることができます。今の園で給料とキャリアをあげていこうと考えている方は是非、この制度を使ってキャリアアップを目指してみてください。

 資格を取得する

昇格に役立つ資格を取得したり、研修でのスキルアップを目指すのも給料をあげる手段の1つです。

 

保育の世界にゴールはなく、常により良い保育の追求が求められます。そのため、資格を取得することで特別手当が出されることがあります。資格を持っていることで転職にも有利になる、そんな一石二鳥で注目度の高い資格をご紹介します。

 

【リトミック指導者】

リトミック指導者とは子供たちに音楽を教える講師のことです。

リズム遊びや歌、ダンスなどの練習を通して、音楽への興味や関心、協調性と集中力を培うことを狙いとしています。資格認定団体は多数あります。

「音楽の楽しさをみんなに伝えたい!」という気持ちがある方は是非ともチャレンジしてみてください。

 

【絵本専門士】

絵本専門士は、絵本に関する知識・読み聞かせなどの高い技術を備えた、絵本の専門家であることを証明する資格です。

絵本は子供の言語力、理解力、感性の発達に繋がり、豊かな人格形成をサポートします。

「子供を笑顔になってもらうことが好き!」という方は是非チャレンジしてみてください。

 

ですが、絵本に関する実務経験が原則3年以上必要になります。

そのため、資格を取るのは保育現場の経験を積んでからでも遅くはありません。

 

【イングリッシュエキスパート保育士】

イングリッシュエキスパート保育士は、子供たちや保護者との英語によるコミュニケーションを目的とする資格です。

 

グローバル化が進む日本において、英語力の需要はさらに高まっています。

インターナショナル系の保育園は比較的に高給与な園が多いため、英語が好きでキャリアアップも考えている、という方はチャレンジしていただきたいです。

 

その他にも保育の現場で役立つ資格は以下のようなものが存在します。

・食育スペシャリスト

・環境アレルギーアドバイザー

・ベビーマッサージ

 

などキャリアアップに役立つ国家資格や、民間資格は多数存在します。

ここでは紹介しきれませんでしたが、幼稚園教諭免許を取得するのもおすすめです。

 

最近では認定こども園も増加しており、保育士と幼稚園教諭両方の資格が必要な保育教諭の需要が高まっています。どちらにも対応できるようにしておくことで、自分の市場価値を高めることができます。

 

資格取得で更なる専門性を獲得することで、転職、キャリアチェンジなども含めた将来の選択肢も広がっていきます。どんどんチャレンジしていきましょう!

 他園への転職をする

私立保育園は運営体制によって給与の額や福利厚生が異なります。

 

より良い条件の保育園を探し、転職をするのも給料アップの1つの手です。

 

保育士が不足している今、人材を呼び込むために、給料面や待遇面で好条件を提示している職場が多くあります。

 

保育園の保育形式や指導内容は様々です。一つ一つ比較しながら自分が働きたいと思ったところを探すのもいいでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

保育士の需要はこれからますます伸びていきます。

 

「キャリアアップを目指したい」

「大好きな保育士を続けたい」

 

と思っている方は、まさに今動き出すチャンスです。仕事は給料だけでなく、やりがいも必要です。自分から主体的にチャレンジし、現状をより良いものにしていきましょう。あなたのチャレンジをこの記事がサポートできれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。