保育士の転職なら「保育Love it!(ラビット)」

コラム

トイレに行きたがらない子どもの対処法。保育園で求められる支援とは?

お役立ちコラム

入園や進級後の慣れない環境下では、園の生活の中でつまづきを見せてしまう子どもも存在します。つまづきやすい場面の1つとして挙げられるのが、トイレです。今回はそんなつまづきやすいトイレをどのように乗り越えたら良いのかご紹介します。

トイレに行きたくない子どもの場合

お家のトイレには行けるのに、園のトイレに行くのを我慢してしまう子がいます。それは、その子が園のトイレに対して、何をする場所なのかを認識していないからです。特に発達障害がある子に、そのケースがよく見受けられます。
また、園のトイレは個室がいくつか並んでおり、慣れ親しんでいるお家のトイレと形が異なる点も敬遠してしまう原因の1つと考えられます。

トイレに行きたがらない子どもの気持ちを考えず、必要だからと無理やり連れて行くのは、あまり良い対処法とは言えません。かえって嫌な場所として強く認識させてしまう可能性もあります。
まずは、子どもがどうしたらトイレに行きたいと思うようになるのかを考え、子どもとトイレを繋ぐ工夫をすることが大切です。

◆トイレに対する負の感情を取り除く

大前提として、薄暗く汚いトイレは子どもでなくても敬遠するもの。明るく、清潔な環境を維持することを心掛けましょう。その他に、ニオイが嫌い、便器が顔に見えて怖い、といった理由でトイレを拒む子どももいます。消臭剤を置いたり、便器に布をかけて隠したり、子どもに人気なキャラクターのイラストやシールを配置するなどして、「怖い」「嫌い」と思わせる要素を取り除くようにしましょう。

◆トイレを楽しい空間にする

スタンプカードを作りトイレに行けたらスタンプを押す、シールを貼るなど、トイレにしかない遊びを作る工夫をし、「トイレに行けば〇〇ができる」といった楽しみを作ると良いでしょう。トイレは、そこに行かないと出来ないことがある特別な空間だと印象付けることが出来れば、子どもも興味を持ってくれるでしょう。

◆トイレは何をする場所なのかを伝える

トイレが本来何をすべき場所なのか、イラストや図を使い、行動手順を分かりやすく示したポスターを作り掲示しましょう。作ったポスターをトイレに貼っておくことで、何をするところなのかを印象付けることができますし、1人でトイレをするための手助けにもなります。

◆トイレでの成功体験を増やす

問題なくトイレが出来たら、たくさん褒めてあげましょう。中には、緊張して思うようにトイレが出来なくなってしまう子もいるので、給食の後や帰りの会の前など、子どもがトイレに行きたくなるタイミングを見計らうようにしてください。また、トイレ指導は園生活に少し慣れ始めた頃からスタートした方がスムーズにいきます。

トイレトレーニングが進まない子どもの場合

「トイレに行かなくて大丈夫かな?」と、声をかけた際に「大丈夫!」と、元気に返事をするものの、その後お漏らしをしてしまう子どもがいます。身体感覚が弱い場合、自分の体がお手洗いに行きたいと訴えていることに気付きにくかったりします。発達障害がある子どもはこの傾向が強いため、「大丈夫」と返事をしたとしても、気にかけてあげる必要があります。

◆お漏らしをしてしまう子には

日頃から体をよく動かすことで、自分の体の訴えに気づく力を身につけることができます。動きを真似るゲームや、だるまさんが転んだのような「動く」「止まる」という動きがある遊びを日々の活動の中に取り入れるようにしましょう。

◆トイレで遊んでしまう子には

トイレットペーパーを引っ張って遊んだり、何度も水を流して遊んでしまう子には、具体的にどれくらい使うものなのか、なにをするものなのかを示してあげるようにします。トイレットペーパーや水を流す蛇口の近くに張り紙などをし、正しい行動を促しましょう。この時、否定的な表現をしないよう気をつけましょう。

まとめ

大切なのは、強制して身に着けさせることではなく、子ども自らが自然に受け入れられるよう、1人1人の成長に合わせた対応をしてあげることです。慣れない環境の中、無理強いをしてしまうと、子どものつまづきに拍車をかけてしまいます。焦る必要はありません。1つずつ確実に成長を促しましょう。

その為には、ペアの先生や、園の協力体制が必要不可欠です。先輩や園長先生が協力してくれないなど、よりよい保育環境が望めず悩んでいる方がいらっしゃいましたら、是非お気軽にご相談ください。