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保育士の残業が多くなる原因は?残業を減らすポイントや対処法を紹介

お役立ちコラム

残業の多さに悩む保育士は少なくありません。勤務時間は就業規則通りになっていたとしても、たくさんの仕事に追われて残業をせざるを得ない状況です。

 

残業のルールは明確化されていないことが多く、残業しても記録に残らないので結果として「サービス残業」になってしまいます。

 

保育士の残業が多くなる原因や残業を減らすポイント、対処法を紹介します。残業が多くて悩んでいる人は参考にしてみてください。

 

保育士の残業が多くなる原因

ほとんどの保育士は「残業が多い」と感じています。ではなぜ残業が多いと感じてしまうのでしょうか。

 

いちばんの原因は「仕事量が多いのに、勤務時間内に作業ができない」ことです。そのため、どうしても残業が多くなってしまいます。保育士の残業が多くなる原因を詳しく紹介します。

 

子ども同士のトラブルや保護者対応

毎日の保育の中で、子どものアクシデントやトラブルはつきものです。その対応に追われると、ほかの仕事が終わらず残業になってしまいます。例えば、子どもが怪我をした場合、怪我の処置はもちろん、怪我の程度によっては病院に付き添うことがあるでしょう。また、ほとんどの園で、怪我をした状況や対処方法を書類にまとめて上司に提出します。その結果、事務作業が増えて残業になってしまうのです。

 

また、勤務時間外であっても保護者から要望があれば対応する必要があります。1日の子どもの様子を伝えたり、ときには面談をしたりと保護者対応に追われて残業する保育士は少なくありません。

 

仕事量が多い

保育士の仕事は、子どもと遊んだり生活したりするだけではありません。保育のほかにも事務作業が多くあるため、勤務時間内にすべてを終わらせるのは難しい状況です。

 

・月案、週案、日案の記入

・クラスだよりの作成

・個人票の記入

・製作物の用意

・壁面飾りの作成

・行事計画書の作成

・行事の用意

・会議や研修

・掃除など

 

子どもと過ごしている時間は、安全確保のため事務作業はできません。午睡中は連絡ノートを記入するので、ほかの作業は勤務時間外に行うことになります。こうした仕事量の多さが残業につながる原因です。

 

保育士が少ない

保育士の人数が少ないと、その分ひとりあたりの仕事量が多くなります。

 

子どもの人数に対して保育士の数が決まっているので、ぎりぎりの人数で運営している園は少なくありません。フリー保育士が保育に入れれば、その間にほかの仕事ができますが、残念ながらほとんどの園は余裕がないのが現状です。そのため、子どもを保育している間はほかの仕事ができないので残業になってしまいます。

 

イベントや行事の準備

子どもも保護者も楽しみにしているイベントや行事は、保育士にとっては仕事量が増える原因のひとつです。

 

特に、運動会や発表会などの大きな行事は計画や準備が大変です。また、日々の保育に加え、運動会や発表会の振り付けや立ち位置を考えて、子どもたちに指導しなければなりません。ときには保育士自身がうたったり踊ったりするため練習が必要です。

 

誕生会や季節のイベントはほぼ毎月行われるので、常に準備や練習が必要になります。そのため、仕事に追われて疲弊してしまう保育士も多いでしょう。

 

時間外の会議や研修

会議や研修は子どもがいない時間に行われることがほとんどです。

 

しかし、保育園は朝から夜まで開園しているので、子どもがいない時間は夜遅くか休日しかありません。そのため、遅くまで残業になったり休日に出勤したりする必要があります。特に年度末は、新年度に向けての会議や研修が多く、プライベートの時間が少なくなってしまう傾向にあります。

 

保育士の残業はサービスなの?

残業代が出ない「サービス残業」があたりまえになっていませんか?

 

労働基準法を遵守すると、勤務時間を超えた労働には残業代を支払わなければなりません

 

しかし、休憩時間中の作業や持ち帰りの仕事を、超過分の労働として証明するのは難しいのが現実です。なぜ保育士の残業には残業代がでないのかを解説します。

 

休憩時間の作業

保育士は、子どもの午睡中に休憩をとることがほとんどです。

 

労働基準法では8時間以上の勤務の場合、1時間の休憩時間を確保する必要があります。しかし、実際には休憩時間であっても仕事がたまっていて、休めないことは少なくありません。連絡ノートの記入、寝付けない子どもや起きてしまった子どもの対応、会議などゆっくり休んでいる時間がないため、休憩時間は昼食をとるだけになってしまいます。

 

そもそも、保育士は休憩時間に外出できない園が多く、職員室にいても自分専用のデスクがあるわけではないので、休憩時間に苦痛を感じる人もいるでしょう。そうなると「ゆっくり休憩できないから仕事を進めよう」と休憩時間を事務作業にあてる人は少なくありません。

 

勤務時間外の業務

労働基準法により、1日8時間勤務で週40時間を超えたら残業代を支払わなければならないと定められています。

 

残業代は通常賃金の25%割増で発生するので、残業代が支払われていないと給与が上がらないため損です。しかし、実際には「残業代は出なくてあたりまえ」という雰囲気になっていると請求しづらく、結果「サービス残業」になってしまっています。

 

持ち帰りの仕事

書類関係は個人情報なので持ち帰れませんが、壁面飾りや発表会の衣装作りなどの製作物は、持ち帰って作業する人は少なくありません。持ち帰って仕事をしなければならない場合は、本来であれば労働時間とみなされ残業代が発生します。しかし、実際には持ち帰りの仕事を労働時間として証明するのは難しいのが現状です。

 

未払いの残業代について

労働基準法では、未払いの残業代を園に請求することはできますが、請求に関する時効は2年と定められています。

 

残業代を請求する場合は、上司に相談してみましょう。残業代が支払われなかったり、労働環境が改善されなかったりする場合は、労働基準監督署に相談してみるのもひとつの方法です。

 

残業が少ない園の特徴

残業が多い園がたくさんある一方、残業が少なかったり減らす努力をしたりしている園が増えています。

 

もし、転職や復職を考えているのであれば、残業が少なくて働きやすい職場を選びたいものです。残業が少ない園の特徴を紹介します。

 

保育士の人数にゆとりがある

保育士の人数にゆとりがあれば仕事を分担できます。正社員に限らずパートの人に簡単な製作物を頼んだり、保育に入ってもらったりすれば、その分事務作業に集中できます。日中に事務作業できる時間が増えれば、残業も少なくてすむでしょう。

 

イベントや行事が少ない

イベントや行事が多いと、計画や準備、会議など仕事量が増えるため忙しくなります。また、立て続けにイベントや行事があると休まる時間が少なくて疲弊してしまいます。イベントや行事が少ない園であれば、保育士の負担を軽減できるでしょう。

 

行事が少ないことを掲げている園や小規模保育園などは、行事やイベントが少ない傾向です。年間予定をホームページに掲載している園が多いので、事前に確認しておくとよいでしょう。

 

仕事を効率化している

仕事の効率化に力を入れている園は、残業が少ない傾向です。例えば、ICTシステムを導入することで、書類関係を手書きする必要がなくなります。手書きするよりもタイピングや音声入力のほうが作業を効率化できるでしょう。

 

また、連絡帳やクラスだよりをクラウド上で行えば、書いたり印刷したりする手間が省けます。特にクラスだよりなどの配布物は、子どもの人数分を印刷して、折りたたんでからひとりひとりの連絡帳に挟むので時間がかかります。こうした仕事の効率化が進むことで、保育士の負担を減らすことにつながるでしょう。

 

保育士が残業を減らすポイント

仕事量が多くて残業ばかりしている人は、まずは自分で残業を減らすように努力してみましょう。効率よく作業ができれば残業が少なくなり、今より働きやすくなるかもしれません。保育士が残業を減らすポイントを紹介します。

 

やるべきことに優先順位をつける

やるべきことをリストアップして優先順位をつけます。優先順位をつけることで1日にやるべきことがわかって、残業を減らすことにつながります。また、仕事をリストアップすることで、頭の中が整理されます。リストアップした仕事をほかの保育士と共有することで、仕事の分担や仕事漏れ防止になるでしょう。

 

また、イベントや行事はあらかじめ年間予定で決まっているので、忙しくなる時期がわかります。忙しい時期にほかの仕事が重ならないように、見通しをもって進めることが大切です。

 

作業を簡略化する

丁寧に仕事に取り組むことは大切ですが、ときには簡略化して肩の力を抜くことが必要です。例えば、製作物の準備で同じ形のものを用意するときに、画用紙を重ねて一気に切ることで早く切り終わります。また、イベントの出し物は、ペープサートやパネルシアターなどをあらかじめ作っておくことで、少し練習するだけですみます。月案や個人票などの簡略化は難しいですが、仕事によっては工夫することで残業を減らせるでしょう。

 

作業時間を決める

時間を決めることでメリハリをつけて作業ができます。時間外の作業はどうしても気が緩みがちです。メリハリをつけて作業することで、残業を減らせるでしょう。

 

また、時間内に終わらなかった仕事は、今後どうしたらよいかを考えるきっかけになります

 

仕事への取り組み方を改善していけば、効率が上がり残業が少なくてすみます。

 

ほかの保育士に協力してもらう

「自分が頼まれた仕事だから」とひとりで仕事を抱え込んでいませんか。ほかの保育士に協力してもらうことで、残業が減らせるかもしれません。例えば「簡単な製作物は手の空いているパート保育士に頼む」「子どもの人数が少ないときは、事務作業と保育担当をわける」など工夫ができます。

 

特に新人保育士は仕事の要領がつかめず、作業に時間がかかるので、先輩保育士の力を借りながら進めるようにしましょう。

 

周りの目を気にしすぎない

「ほかの保育士が残業しているので帰りづらい」「残業するのがあたりまえ」と周りの目を気にしすぎていませんか。

 

行事やイベントの前など、仕事がたくさんあってほかの保育士の負担になっている場合は残業することもありますが、割り切って帰ることも大切です。

 

残業が続くと体調を崩しかねません。体調を崩してしまうと、ほかの保育士に迷惑をかけることになるので「自分は残業しない」というスタンスをもって、必要なとき以外は割り切るようにしましょう。

 

残業が減らないときの対処法

園の環境によっては、いくら努力しても変えられないことがあります。仕事への責任感から、頑張りすぎてしまうと体調を崩しかねません。そうならないためにも働き方を見直す必要があります。残業が減らないときの対処法を紹介します。

 

雇用形態を変える

正社員はどうしても仕事量が多くなってしまいます。そのため、残業を減らしたいのであれば雇用形態を変えるのもひとつの方法です。パートや派遣なら仕事量が少ないので、残業はほとんどありません。自分のペースで働けるので、残業がつらい人はパートや派遣ではたらくことを検討してみましょう。

 

残業の少ない園に転職する

昔ながらの手書き作業にこだわり、ICTシステムの導入を渋っていたり、保育士の数が少なかったりと自分ではどうしようもできない状況が続く場合は、転職するのもひとつの方法です。

 

院内保育所や企業内保育所などは残業が少ない傾向です。また、保育士の資格や経験があれば、ベビーシッターや子育て支援センター、幼児教室の先生など保育園以外の転職先を探すことが可能です。

 

最近では、働き方改革により残業を減らすように努力している園が増えてきています。とはいえ、園の内部事情を把握するのはなかなか難しいでしょう。そんなときは、転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職エージェントに相談すれば、園の内部事情を知れたり、条件交渉してくれたりします。転職する際に活用することで、自分に合った園を見つけやすくなるでしょう。

 

まとめ

毎日の残業に悩む保育士は少なくありません。保育士は仕事量が多いので、どうしても残業が増えてしまう傾向にあります。そのため、残業を減らす努力をしたり、働き方を変えることで少しでも働きやすくなるように工夫しましょう。

 

どうしても労働環境が変わらない場合は、雇用形態を変えたり転職したりするのもひとつの方法です。転職するのであれば、転職エージェントに相談して園の内部事情をしっかりと把握し、残業が少なくて働きやすいかを見極めることが大切です。