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保育士が抱える3大ストレスとは?新人からベテランまで使えるストレス解消法も合わせて紹介

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保育士は悩みやストレスが多い仕事でもあります。

 

子供が好きという思いから仕事にやりがいを感じつつも、悩みやストレスを抱える保育士さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

 

膨大な業務量、職場での人間関係、安すぎる給料、保育士のストレスになりそうなものは保育現場にたくさん転がっています。

 

ストレスとの上手い付き合い方を知らなければ、最悪の場合、病気になってしまい働くことができなくなってしまうこともあります。

 

ということで今回の記事では、保育士が抱えてしまう代表的な3大ストレスや新人保育士が抱えやすい3大ストレスを紹介し、それらの原因を一緒に考えていきましょう!

 

ベテラン保育士だけでなく、新人保育士の目線にも立ちストレスの解消法も紹介していますので、最後までご覧いただければと思います。今、保育現場でストレスを抱えて悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 保育士の3大ストレス 

「どのような仕事にもストレスはつきもの」

「保育士に限ったことじゃないからしょうがない」

 

そう割り切ろうとしても、やりきれない思いを抱えながら働いている保育士さんは少なくないと思います。

 

保育士は常に他人に対して配慮をし続ける仕事です。自分をみてくれる先輩保育士、園長先生だけでなく、園児や保護者にまで配慮を忘れてはいけません。

 

それらを常に求められる中で、多忙な業務をこなし、園児の健康や安全も守っていく。

その仕事量に見合わない給料に文句も言えず塞ぎ込み、ストレスを溜め込む負のループ、

 

ここではそんな仕事の負のループを作り出す、保育士の3大ストレスを紹介したいと思います。それらは以下の3つです。

 

・職場の人間関係

忙しすぎる労働環境

・難しい保護者対応

 

一つずつ見ていきましょう。

 

職場の人間関係

男性保育士の人数は年々増加傾向にあるものの、保育の現場はまだまだ女性社会。

 

政府の統計によると、2018年度の保育士の人数は、女性保育士21万6220人・男性保育士1万3400人とされています。

 

保育資格があるのにもかかわらず、現在保育士として働いていない「潜在保育士」は全国に80万人以上もいます。最も保育士の多い東京都の調査によると、過去に保育士として働いていた方の退職理由1位が「職場の人間関係」でした。

 

この職場の人間関係が多くの現役保育士を悩ませ、「潜在保育士」の復帰をためらわせています。

 

保育園は、主に園長と限られた人数の保育士で構成されているとても狭い世界です。

役職については、基本的に園長、副園長、主任の3つの役職以外は横並びとなっています。保育士の仕事は成果や貢献度合いが、明確に数値化されていないため、それらを図る指標もありません。そのため、上下関係は「勤務歴の長さ」によって決められています。

 

そういった保育士の不明確な評価基準によって、現場には

 

・陰口や悪口

・無視やいじめ

・派閥やグループの対立

 

が横行しています。

 

繁忙期や忙しい職場ではどうしても口調が強くなってしまったり、リアクションができず、結果的に無視することになってしまう、なんてことはよくあることです。

 

そういった女性同士の人間関係を意識するあまり、本来の仕事である保育に集中できずに余計な神経を使ってしまい、そのストレスが精神を病ませてしまうことに繋がります。

 

 忙しすぎる労働環境

シフト制の保育士の勤務時間は、全国保育協議会の調査によると、開始時間は平均「7時台」、終了時間は平均「19時台」の施設が最も多い結果になりました。平均にすると約11.7時間もの間、保育園は空いており、多くの保育士は働いています。

 

これらの数値を踏まえると、一般的な保育の現場では、早番・中番・遅番は以下のようなシフトが組まれていると想定されます。

 

・早番:7:00~16:00

・中番:8:00~17:00 (9:00~18:00)

・遅番:10:00~19:00

 

シフト制勤務では3交代制を採用しているところが多いですが、近年は様々なシーンに対応するために4~7交代制というところもあるようです。

 

世間のイメージでは、保育士の主な仕事は「子供の面倒を見ること」です。しかし、実際はそれだけが仕事ではなく、日々膨大な事務作業をこなしています。

 

日案、週案、月案、連絡帳の記入、個人指導案・記録、年間計画、クラスや保育園だより、イベント行事の準備など多岐にわたります。

 

これらは保育仕事の傍ら、子供たちが外遊びをしていたり、お昼寝している合間に行うことになります。もちろん勤務時間内に終わることは少なく、サービス残業や持ち帰って作業をし、どうにか完成させるのです。

 

また労働基準法では休憩時間において、こう定められています。

 

引用

原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。

労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。

少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければいけません。

労働時間・休日 |厚生労働省

 

労働基準法ではこう定められていますが、実際は緊急の仕事、保護者対応などで1時間以上の休憩を取れている保育園は非常に少ないのが実態です。

 

朝から休憩も無しに働き、家に帰ってはサービス残業、これではストレスを抱えるのも仕方ありません。

 

 難しい保護者対応

保育士として避けては通れないのが保護者対応です。

 

もちろん、保護者との良好な関係を築けることも多いのですが、近年、保護者からのクレームはエスカレートしており、理不尽な要望も多くなってきています。

 

例えば、子供が熱を出した場合、コロナ禍の現在では園児の登園を控えてもらう約束になっています。しかし、働いている保護者からすると、子供の預所が無くなってしまっては仕事ができません。

 

そのため、保育士さんが登園するのをやめていただくようにお願いしても、

 

「うちの子に園に来るなということですか?」

 

とトラブルになってしまうケースが多いのです。これはコロナ禍の現在だからこそ難しい問題ですが、新米保育士はこういった対応に慣れていません。こういったクレーム対応に神経をすり減らしてしまう保育士も多いことが現状の問題としてあります。

 

さらに、常識的に考えられないようなクレームをつける保護者は、対応を間違えるとさらに騒ぎを大きくすることがあります。理不尽だと感じても謝るのは保育士です。

 

こういったクレーム対応が重なり、保育士の中に大きなストレスが溜まっていきます。

 

保育士の離職率

保育士にはストレスのかかる仕事です。

 

その中でも代表的な3大ストレスを前項では紹介させてもらいました。

 

実はそのストレスは保育士業界の「離職率」という形で数字に現れています。

ここでは「離職率」に焦点を当て・・・。

 

・業界ごとの離職率の比較

・保育士単体の離職率

・経験年数ごとの保育士の離職数

 

を数字から見ていきたいと思います。

 

業界ごとの離職率の比較

参考:-平成 30 年雇用動向調査結果の概況-

 

この調査によれば、全業種の平均離職率は11.3%となっています。

 

上記のグラフは離職率の高い業界のTOP5をまとめたものです。

保育士が含まれる「医療,福祉」はランキングとしては5位です。

 

全業種の平均離職率と比較すると、+4%近い結果となっています。「医療,福祉」のジャンルには、他の業種も含まれているので一概には言えませんが、保育士は平均よりも離職率が高い業界と言うことができます。

 

次は、保育士単体の離職率を見ていきましょう。

 

保育士単体の離職率

参考:保育士等に関する関係資料

 

グラフは、厚生労働省が発表する平成25年度の採用者数、退職者数のデータをもとに作成したものです。

 

保育士全体の離職率は10.3%となりました。

公営の方が離職率が低いのは、労働時間やお給料、福利厚生などの待遇が私営と比較すると充実しているためです。

 

このグラフから、1年に約1割の保育士が退職していることがわかります。

では、経験年数別の保育士の退職数はどうなっているのでしょうか?

 

経験年数ごとの保育士の離職数

参考:保育士等に関する関係資料

 

保育士全体の経験年数別の人数を見てみると、7年未満の人が半分以上を占めていることがわかります。

 

グラフを見ると、経験年数が2年未満という保育士が一番多く、そこから右肩下がりに減っていきます。経験年数が4年を超えた頃から離職をする割合が増えていることがわかります。

 

これらのことから、保育士は早期離職の傾向が高いことがわかります。

 

新人保育士が抱える3大ストレス

先程の数値から、保育士という仕事は早期離職の傾向にあることがわかったと思います。

 

経験年数を積むと、仕事にも慣れ始め、あらゆることに対応できるようになります。

しかし、新人の頃は仕事にも自信がない、人間関係にも慣れていないことからベテラン保育士は抱えない独自の悩みを抱えることになります。

 

ここでは、保育士が抱える3大ストレスとは別に、新人保育士が抱えやすいストレスを紹介します。

 

それは以下の3つです。

子供への接し方がわからない

・上司同士の仲を取り持つ新人保育士

・上司より安い給料

 

ここでいう新人保育士は経験年数4年未満の保育士を指しています。

 

 子供への接し方がわからない

新米保育士は子供とどのように向き合い、成長をサポートしていけば良いのかがわかりません。十人十色という言葉があるように、子供一人一人には個性があります。

 

「本当に今の関わり方で間違っていないか?」「これで本当にあっているのか?」

日々自問自答し、悩んでいます。

 

ベテランは言葉の引き出しをたくさん持っています。

そのためすぐに対応することができますが、新人保育士にはそれができません。

 

子供との接し方の正解がわからず上司に相談をする、アドバイスをもらった通りにやって見る。仕事ができるようになるために新人保育士も努力をしますが、多くの保育の現場は指導はあってもフィードバックがない場合が多いです。

 

成長に一番大切なのはフィードバックであり、それがなければ個人の成長はありません。

 

そのため今の自分がやっていることはあっているのかどうか?不安を抱えながら、正解のわからないまま子供と接し続けなければいけません。

 

さらにひどい場合は先輩によって正解が異なり、アドバイス通り子供と接しても怒られてしまうケースです。

 

新人保育士は右も左も分からない中を模索しながら子供と接して行かなければなりません。まさにこれは新人保育士、特有の悩みと言えるでしょう。

 

 上司同士の仲を取り持つ新人保育士

前述の通り、保育士は女性が多い仕事、どの保育園にも派閥があり先輩同士の仲が悪く口を聞かない、なんてこともあります。

 

園の保育方針に違いはありますが、多くの園がクラス制で、担任と副担任、担任と補助職員ペアとなり、クラス運営を行います。

 

互いの保育観の違い、子供への接し方の違いなどをみて

「なぜあのような接し方をする?」

「もっと良い方法があるんじゃないの?」などと考え言い合いになるケースも多くあります。

 

また、保育士では会議があります。会議の内容によっては職員同士の意見がぶつかるなど感情的になる場面も少なくありません。

 

その仲を取り持ち、どちらの意見も聞かなければいけないのが新人保育士なのです。

 

また、保育園は園長が絶対のところが多いです。園長の一言で行事がなくなってしまったり、保育活動が急に変更になり、新米保育士が振り回されてしまうこともあります。その結果、園長に対して言いたいことが言えず、不信感が募りストレスが溜まってしまいます。

 

新人保育士は、保育園では1番の部下なため、業務以外のもストレスは多いのです。

 

 上司より安い給料

参考:令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

 

子供との接し方がわからない中を自分なりに模索し、上司との人間関係にも配慮をしながら、日常の膨大な業務量をこなす、

 

その結果、もらえる給料が上司よりも低いとなると、どんな保育士でもストレスを抱えてしまうでしょう。20代の平均月収は約22.5万円ほど、30代の保育士さんと比較すると約2万円、40代の保育士さんとでは約3万円ほどの差が生じます。

 

保育士は働く年数を重ねるごとに月収やボーナスが上がっていく仕組みです。現場での保育経験を積み、できることが増えるのと同時に給料も増えていきます。

 

一番年収が高くなるのは50代の411.9万円。

この年代では役職にも就き、任される責任も大きくなることから年収が最大になります。

 

昇給は非常に緩やかな傾向にあり、20代で22.5万円だった月収が、30代ではわずか2万円ほどしか上昇を見せていません。入社する年齢や時期にもよりますが、約10年かけてわずか2万円の上昇ではモチベーションも下がってしまいますよね。

 

ストレスを放っておくと、、、

保育士になる人は、個人差はあれど、真面目で責任感の強い人が多いと言われます。

 

どちらも素晴らしい資質ですが、このような人ほど多大なストレスがかかった場合に「うつ病」になってしまう傾向にあります。

 

「うつ病」とは、ストレスが積み重なるなどの要因で、脳の機能障害が起きることです。

脳の機能が全体的に低下することで判断力が鈍ったり、急に悲観的になったりしてしまいます。

 

最悪の場合、うつ病を発症し保育士などその職を続けられなくなることもあります。

そのため、保育士の労働環境や保育士不足が問題となっている今、保育士のメンタルケアは重要な課題と言えます。

 

この記事では最後に、そんなうつ病の原因ともなるストレスの解消法を紹介したいと思います。

 

ストレス解消法

保育士の仕事をしている以上、ストレスが無くなることはありません。

 

ここではそんな、無くすことのできないストレスと、どのように付き合い解消していけばいいのか?

 

以下の5つの方法をご紹介します。

 

・誰かに相談する

・十分な睡眠と休息をとる

・趣味で気分転換をする

・運動をする

・転職も視野に入れる

 

一つずつ見ていきましょう。

 

誰かに相談する

ストレスを感じた際に最も重要なのは、1人で抱え込まず誰かに相談することです。

 

厚生労働省が平成28年に実施した「労働安全衛生調査」によると、悩みを誰かに相談することで、9割以上の方が解消、または気持ちが楽になったと回答しています。家族、恋人、友人、相談する相手は誰でも構いません。信頼できる人に今感じている不安や悩みを率直に伝えてみましょう。

 

誰かに聞いてもらうことで気持ちが軽くなったり、解決策が見つかることがあります。他人の客観的な意見をもらい、しっかりと事実を受け止めて「対話」することで心の状態もきっと良い方向に向かうはずです。

 

身近な人に相談しづらい場合は、公的機関の相談窓口やカウンセリングを受けることも視野に入れてみましょう。

 

十分な睡眠と休息をとる

仕事が忙しいと睡眠時間が確保できなくなり、精神的なバランスが不安定になってしまいます。日常でこのような症状がある方は睡眠が足りていないかもしれません。

 

・なんとなく疲れやすい

・暴飲暴食してしまう

・些細なことでイライラする

・集中力が続かない

・注意が散漫になる

 

これらは睡眠不足から来る初期症状として代表的なものです。眠気を感じていなくても、身体に必要な睡眠時間や質が足りていない可能性があります。これらが続くと生活習慣病になってしまったり、最悪の場合はうつ病を発症してしまうこともあります。

 

睡眠は疲労回復、ストレス解消以外にも、肥満防止や肌質の改善、記憶の定着を高める効果があります。

 

良い仕事は良い睡眠から、睡眠時間は確実に確保するようにしましょう。

 

趣味で気分転換をする

休日に何もすることがなければ、日常のネガティブなことばかりを考えて憂鬱になってしまいますよね。そんな中で週が明けてしまっては、仕事に集中できません。

 

「昔は趣味があったけど、最近は何もできていないな」

 

と少しでも感じているのであれば、仕事を休んで趣味に没頭してみましょう。

ここでのポイントは何も考えず趣味に打ち込む、ということです。そうすることで大きなストレス解消になります。

 

趣味に没頭することが難しければ、ヒーリングミュージック(海の音や焚き火の音)を聞いてゆったりとリラックスできる時間を少なからず持つようにするだけでも効果があります。

 

運動をする

現代人のストレスは運動不足から来ています。

仕事や人間関係などで、脳はフル回転で働いているのに比べ、体を動かすことは少なくなってきています。1日の終わりには、脳は疲れているのに身体は疲れていないというアンバランスな状態になってしまいます。

 

運動には身体をあたため、気分を晴らしてくれる効果があります。

それによってよく眠れるようになり睡眠もしっかりと取ることができるようになります。

 

運動は筋肉の動きや呼吸、リズムを意識して行わなければ、運動効果や快感を感じにくいです。「ながら」で運動をするのではなく、確実に時間を確保して散歩やジョギングなどのリズム運動を日常に取り入れてあげると、効果を実感しやすいです。

 

転職も視野に入れる

「色々なストレス解消法を試したけど、あまり効果がない。もう限界、、、」

 

そう感じた場合は、現在の職場が合っていないのかもしれません。

どれほど努力しても上手くいかない時は、自分ではなく保育園側になんらかの問題がある可能性が高いです。

 

環境が変われば、いきいきと働くことができるかもしれません。

思い切って転職を考えてみましょう。

 

まとめ

どれだけ恵まれた職場だとしても、人間同士がぶつかり合う保育の現場では、ストレスと無縁の生活を送ることは難しいです。

しかし、ストレスをゼロにすることはできなくても心の負担を軽くすることは可能です。

今回ご紹介した3大ストレス、新人が抱えやすい3大ストレスを、常に客観的に見続けることがストレスを減らすためには、とても大切なことです。

この記事をきっかけにストレスとの付き合い方を見直し、元気な笑顔で子供たちを迎えてあげられる保育士を目指しましょう!