「開業資金がゼロでも美容室を開業したい」と思っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、「開業資金がゼロでも美容室は開業できるのか」について紹介したいと思います。この記事を読めば、「できるだけ低コストで美容室を開業する方法」が分かるので、これから美容室を開業しようと思っている方は、ぜひご覧ください。
目次
開業資金ゼロでも美容室を立ち上げられる?

開業資金がゼロの状態でも、美容室を立ち上げられると思いますか? 結論から言うと「ほぼ不可能」です。 美容室を開業する時には、さまざまな面で資金が必要になります。 お店を構えたり、備品を揃える必要があるからです。
さまざまな面でお金が必要になりますが、身銭がなければ銀行から借りる必要が出てきます。 お金を借りる時に、なぜ開業資金がゼロだと難しいのかについて解説をします。
開業に積極的でないと思われる
自分でお金を出さないというのは、それほど美容室の開業に積極的でないのかなと思われます。 お金を貸してくれる銀行などからすると「計画性がない美容室の開業で、事業の見通しが立っていないのでは?」という印象に受け取られてしまう可能性も。
通常、お金を貸してもらう時には「自分では用意できない分」を借りることになりますので、開業資金として自分で出せるお金がゼロというのは、「リスクを背負ってまでやりたいとは思わない」と判断されてしまう恐れもあります。
すぐに倒産すると思われる
「積極的でない」と似ていますが、自分でリスクも背負わないような選択では「すぐに倒産する」と思われてしまいます。これも当然ですよね。最大限のリスクヘッジをしているのではないかと思われてしまいます。「計画性がなさそう」「なんだか危ない橋を渡るのか」と思われるのも当然です。
返済能力がないと思われる
自己資金ゼロだと、返済能力がないと判断されます。お金を全く出さないのにお金を貸してくださいというのは、一般的にお金がない人がやることです。
したがって、この人はお金がない人で返済能力もないのだろうと思われます。返済能力のない人にお金を貸しても、返ってこないだろうと思われるので、美容室を開業することは難しくなります。
美容室の立ち上げに必要な開業資金とは?

ここからは実際に美容室の開業に必要な資金を紹介していきます。美容室の立ち上げにはどのくらいの資金が必要なのかを確認しておきましょう!
テナント賃料
まずテナントの賃料が必要になってきます。テナント賃料の初期費用に関しては、「大きさ」「場所」にもよりますが、初期費用として以下の賃金が必要になってきます。
- 保証金(敷金) 賃料の6~12カ月分
- 礼金 賃料の1カ月分
- 仲介手数料 賃料の1カ月分
- 空家賃 賃料の1〜2カ月分
「空家賃」とはオープンの準備ができるまでの期間のことを指します。 テナントを確保して、備品などを揃えてオープンができるまでには少なからず時間がかかります。 それまでに発生する家賃のことを指します。 ちなみに、家賃は「売上の10%前後」になるように選ぶのが良いです。
例えば、月額30万円の物件を借りる場合、ミニマムでも初期費用として保証金(120万=20万円×6カ月)、礼金(20万円)、仲介手数料(20万円)、空家賃(20万円)を合計した180万円が最低でもかかる計算になります。全てを自己資金で負担するケースはそう多くはないと思いますが、このくらいかかるものだと認識しておいてください。
内装の工事費
内装にこだわる場合、コストがかかります。 せっかく自分の美容室を持つなら、こだわった内装にしたいですよね。
内装工事費は、坪数で計算されるのが一般的で、1坪につき30〜50万円が相場です。これよりも安く引き受けてくれる業者もありますが、あまりに安いと適当な内装になってしまうので、注意が必要です。
- 1坪20〜30万円 ⇨ 普通
- 1坪30〜40万円 ⇨ やや高級
- 1坪40〜50万円 ⇨ 高級
あくまでも目安になりますが、こだわった内装で、見た目も綺麗にしたい方は参考にしてください。
設備費
美容室は設備にも費用が必要になります。美容室に行けば、「シャンプー台」「スタイリングチェア」「鏡」など、かなりの費用がかかりますよね。おおまかな相場に関しては以下の通りです。
- スタイリングチェア 2万円前後
- シャンプー台 7〜9万円前後
- 鏡 1〜2万円前後
- その他(シャンプー、ドライヤーなど) 5千円〜
これらはあくまでも目安なので、もっと安いものもあれば、もっと高いものもあります。少し高額なものもありますが、備品の清潔感はリピート獲得に大きく影響を及ぼすので、妥協せずしっかりと検討しましょう。
維持費(運転資金)
維持費とは、美容室を運営していくに当たって必要な資金のことを指します。水道代、光熱費、人件費などが維持費にあたります。こちらの維持費も規模や、従業員をどれだけ雇っているかによって大きく変わってきます。
赤字になってもしばらくは経営していけるように、3ヶ月分の固定費は持っておくべきだと言われています。例えば、毎月の固定費が50万円なのであれば、150万円は確保しておくべきです。
美容室の多くは、時間をかけて徐々に売上が上がっていくため、最初は赤字になることも少なくありません。ですが、オープンした後も利益が少なくても少しの間は営業していけるように、運転資金は確保しておきましょう。
美容室の開業資金として利用できる助成金

自己資金がゼロの状態で美容室を開業するのは難しいという話をしました。ですが、美容室の開業を援助してくれる助成金があります。それらを利用することで、できるだけコストを抑えて美容室を開業することができるので参考にしてみてください。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、個人事業主として申請をした時に受け取ることができる助成金です。職業経験の少ない、技能や知識が少ないなどの環境にある方をハローワークの紹介により最長3ヶ月間のトライアルとして雇用する事業主に与えられます。
細かい条件はありますが、条件を満たせば1人につき4万円の助成金を受け取ることができます。
参考:厚生労働省 トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
人材開発支援助成金【人材育成支援コース】
事業主が従業員に研修などの訓練を受けさせることによって受け取ることができる助成金です。これには条件があり、事業主が雇っている雇用者のために雇用保険に加入していることが必須になります。
助成金としては、1人1時間あたり380〜480円を受け取ることができます。
創業助成金
こちらは美容室を開業する際にあたり、受け取ることができる東京都の創業助成金です。助成金を受け取る条件は、東京都での創業です。受け取ることができる金額は、100〜300万円となっています。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、助成金ではなく補助金です。助成金と補助金の違いはほとんどありません。補助金とは予算が決まっていて、金額の上限が決まっていますので申請してももらえない場合があります。それに対して、 助成金は要件を満たせば支給されるものです。
そして、この小規模事業者持続化補助金は、最大250万円まで受け取ることができます。条件は、ホームページの作成やチラシの作成によって、販路の拡大を行った事業主です。条件は下記のサイトをご確認ください。
自己資金はある程度確保しておくと安心
今回は「開業資金がゼロでも、美容室を開業できるのか」について解説をしてきました。結論として、開業資金がゼロでは美容室の開業は難しいです。
したがって、まずやるべきことは「どのくらいの資金が必要なのか」を洗い出し、使う助成金・補助金を決めましょう。その上で、自分が用意すべき資金を計算することが大切です。
一人でも多くお客様に喜んでもらえる美容室を立ち上げましょう!