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コラム

年齢別のケンカ・トラブル対策。子どものケンカを成長につなげよう

トラブル解決

「家」という環境から、「保育園」という同年代のお友達が集まる環境へ進む子どもたち。そこは、子どもたちが初めて触れる「社会」という空間です。なんだかんだ言いつつ譲歩してくれたり、受け入れてくれていた大人とは違い、お友達は自分の思い通りに動いてくれません。
時には、おもちゃの取り合いや、自分の居心地の良い空間を邪魔されてしまったことから、ケンカやトラブルに発展してしまうこともあります。

ですが、そんなケンカやトラブルは、子どもの「相手の気持ちに気づく力」「自分の思いを伝える力」を育て、我慢や譲歩を学ぶ場でもあります。ケンカやトラブルを子どもの成長につなげるために、保育者はどのように関わっていけばよいのか、基本の対応から年齢別に気を付けたいポイントなどをご紹介します。

子どものケンカ・トラブル対応で注意したいポイント

子どもの話に耳を傾け、気持ちに寄り添いましょう

ケンカをしている最中の子どもに「ケンカをしてはいけません」と一方的に仲裁をするのは、効果的ではありません。まずは、子どもの心に寄り添い「どうしたの?」と状況を聞き取るようにしましょう。その際、子どもが自らの言葉で説明するのを待つようにしましょう。
子どもが感じた嫌だったこと、悲しかったこと、悔しかったことに共感をすることで、興奮していた子どもの気持ちを落ち着かせることができます。子どもの気持ちが落ち着いたら、一緒に遊びのルールや相手の気持ちの確認をし、どうするのが良かったかを考えましょう。

忙しいからと子どもの気持ちが整理できないままに仲直りを急かしてしまうのは、子どもの成長の機会を奪ってしまうことになりかねません。必要があれば、同僚や先輩保育士の手を借りて、子どもの話を聞く時間を作ることが大切です。

常に中立の立場で先入観や思い込みを持たないようにしましょう

子どものケンカやトラブルを仲裁する際に、注意しなくてはいけないことは、先入観や思い込みを持って対応しないということです。必ずしも泣いている子が被害者とは限りませんし、普段からトラブルが多い子が加害者ということもありません。
保育者の仕事は、どちらが悪かったとジャッジしたり、子どもから「ごめんなさい」という言葉を引き出すことではなく、ケンカやトラブルを通して子どもの成長を促すことです。それを忘れないようにしましょう。

年齢ごとに注意したい、ケンカやトラブルのポイント

0~2歳 手が出やすい時期なので叩いたり、かみつきに要注意

保育園にも慣れ、お気に入りのおもちゃができた子どもは1人遊びを楽しみ、意識は基本的に自分の遊んでいるおもちゃに向いています。0~2歳児は興味や関心があるものを口に入れたり、嚙んだりする行為が見受けられ、言葉が未発達なこともあり、手が出やすい時期になっています。危ないと感じたら、手が出る前に興味を他に向けたり、声をかけるなどの対応をしましょう。
もし、手を出してしまった子どもがいたら毅然とした態度で、その行為がいけないことを伝えましょう。気になる時は「貸して」っていう必要があること、叩いたり噛んだりされたら痛いということを繰り返し伝えるようにしましょう。

2~3歳 相手にも考えや気持ちがあることに気付いてもらうための促しが必要

喋れる言葉も増え、自我が芽生え、自己主張が強くなってくるこの時期は、自分の「〇〇したい」という気持ちから、お友達のおもちゃを取ったり、遊びを邪魔してしまったりと、ケンカやトラブルに発展してしまいがちです。自分の中に「〇〇したい」という気持ちがあるように、相手にも同様に「〇〇したい」という気持ちがあることを理解していないから生じるトラブルともいえます。
まずは、子どもたちの話をよく聞いて、自分の気持ちはきちんと発してもよいのだということを教えてあげましょう。その上で、内容を整理し、分かりやすい言葉に置き換え子どもたちに伝え、相手にも自分と同じように、考えや気持ちがあることを理解する手助けが大切になってきます。

3~4歳 子ども自ら言葉を紡ぎ、気持ちを伝える練習期間

身体や心の発達とともに言葉の発達も著しいこの時期は、子どもたちも伝えたい思いはあるもののそれを上手に言葉に表すことができず、もどかしさを感じています。子どもが自分の気持ちを整理しやすいよう「本当はどうしたかったのかな?」「〇〇ちゃんはこうしたかったみたいなんだけど、▲▲くんはどうしたい?」などの質問を投げかけ、子どもが気持ちを整理する手助けをしてあげましょう。
言葉にするのに、まだ時間を要してしまいますが保育者が子どもの気持ちを代弁するのではなく、子どもが自分の言葉を紡げるまで、じっくり付き合ってあげるようにしましょう。

4~5歳 子ども同士で問題解決する力を養うために、見守ることも必要な時期

自分の気持ちだけでなく、相手の気持ちを考えられるようになり、少しずつですが子ども同士で問題を解決することができるようになります。そのため、子ども同士のケンカやトラブルにすぐに介入するのではなく、見守りつつ、問題解決の為のヒントや、軌道修正を必要に応じて行うようにしましょう。
気持ちを上手く言葉にできない子どもがいたら、言葉を導くための質問を投げかけてあげるのも良いですし、自分の感情に戸惑いを覚えているようでしたら一旦場を離れ、子どもの話に耳を傾けながら気持ちに向き合ってあげましょう。子どもの中で感情の整理がついてから、ケンカをしてしまった相手のもとに戻り、再度話し合いの場を設けてみましょう。大事なのは、焦らず子どもの言葉に耳を傾けることです。

まとめ

子どもの成長と共に、ケンカやトラブルの原因は異なってきます。大切なのは、大人の考えで物事を決めつけるのではなく、子どもの意見や感情を尊重し、子どもの成長に応じた関わり方をしていくことです。成長を促すには、時に見守ることも必要になってきます。
他のクラスや過去に生じたトラブルをモデルケースに、クラスのみんなでどう対応したら良かったかを考えるのも良いでしょう。他の子の意見を聞くことは、良い学び場になります。

その為には、ペアの先生や、園の協力体制が必要不可欠です。先輩や園長先生が協力してくれないなど、よりよい保育環境が望めず悩んでいる方がいらっしゃいましたら、是非お気軽にご相談ください。